最近、かゆみに関するご相談を頂く機会が増えています。
もちろん、今までもかゆみがつらいという方からのご相談はたくさん頂いておりますが、最近のご相談には共通した特徴があります。
それは、「生活もスキンケアも何も変わっていないのに、急にかゆみがつよくなった」ということ。
なかには、発疹など外見上はとくに何もできていないのに、我慢できないかゆみにおそわれて傷だらけになるほどかいてしまうという方もいらっしゃいました。
しかも、皮膚科で処方されたステロイドを塗っても相変わらずかゆみは続き、原因不明との診断。
多くの方のご相談を承るなかで思うのは、ステロイドを塗っても治まらない突然はじまった強いかゆみこそ、原因がある可能性が高いということ。
患者さんにゆっくりお話を聞いて、状況証拠からあらあらゆる可能性を考えてあげてほしいなあと、思うのですが。。。
- いつから始まったのか
- どのような範囲に、どのような順番で広がったのか
- お仕事やご自宅で使っているものとの関係は?
- ずっと同じ?どんな時に強くなる?
などなど、ご質問は多岐にわたります。あまりに細かなことをお伺いするので、
「なんでこんなことまで?!はやく何を選んだらいいか教えてよ!」
と、イライラされているかも...と、実はドキドキしながら質問をさせて頂いています。
例1:金属アレルギー
金属アレルギーというほどの体質でない方でも、汗をかいた際にアクセサリーを身に着けている部分がかゆくなったことはありませんか?
金属が触れているだけでは問題なくて、汗をかいて溶けだした金属イオンが原因でかゆくなることがあります。
例2:日焼け止めの成分
敏感な肌の方が選ぶことが多い紫外線吸収剤不使用の日焼け止めには、紫外線散乱剤として酸化亜鉛、酸化チタンが使われています。これらの成分にアレルギーがあれば、もちろん使うとかゆくなります。
これ以外にも紫外線散乱剤の中には、「コバルト・ニッケル・クロム」などの金属が不純物としてごく微量ですが含まれているものがあります。アクセサリーと同様に、汗をかいたときや洗顔をした後などにのみ反応するため、これが原因だと気づかないことが殆どです。
例3:汗アレルギー
汗アレルギーを起こす方の汗には、ニッケルという金属が多く含まれている可能性があります。ニッケルを多く含む食品を汗の季節は控えてみましょう。
▼汗による肌の不調
https://atopi-share.jp/rescure/article_res20220609_1/
例3:シルクアレルギー
肌のために選んだシルク製品やシルク由来成分配合のスキンケアやファンデーションですが、シルクは蛋白質のためアレルギーがある方もいらっしゃいます。とくに肌が荒れている状態で長期的に使用することで抗体ができてしまい、アレルギー反応を起こすリスクもあります。
▼シルクが原因のアレルギー!?
https://atopi-share.jp/rescure/article_res20211220_1/
例4:紫外線アレルギー
そして、最近とくに気になるのが夏になると、倦怠感とともに肌の調子も悪くなるという方からのご相談。
昨年よりも今年はとくに多いように感じています。
肌寒いと思ったら、翌日は真夏日で炎天下なんてことが繰り返されるようになっていますが、身体の免疫機能も少なからず影響をうけています。
熱中症対策としては、本格的な暑さをむかえる前に運動や入浴で意図的に汗をかく練習をし、体を徐々に暑さにならしておく予防策がテレビやインターネットで紹介されています。
実は、紫外線も同じ。まだ暑くない4月には、すでに紫外線の照射量は増えています。
さらにここ数年は、突然の炎天下や真夏日になる日も増えています。
体がまだ慣れていない状態で強い紫外線を浴びると、免疫が対応しきれず過剰な反応をしてしまいます。
とはいえ、徐々に紫外線になれる、、、というこことはなかなか出来ないので 早い時期から紫外線対策をはじめることが対策として有効です。
肌の調子が悪くなると、体調も悪くなり強い倦怠感が続く...というお心当たりがある方は、日焼け止めを塗るだけではなく、日陰を選ぶなど直射日光をさけた日常生活が必要なケースもあります。窓越しの日差しを含め、どんなときに体調に異変を感じるか、日記のように記録をつけていただくことからはじめてみてはいかがでしょうか。