研究開発について

研究開発について

竹から抽出したエキスの自然免疫活性化機構に関する共同研究を徳島文理大学理工学ライフサイエンス研究室(香川キャンパス/水野貴之准教授)と行っています。水野准教授の研究室では、自然免疫を高める物質の線虫を用いた機能評価を行っています。

アトピー性皮膚炎に苦しむ患者数は近年さらに増加する傾向があり、厚生労働省の調査によると2008年からの10年間で16万人が増え51万人を超えています。さらに花粉症や喘息に代表されるアレルギー患者数も増加しています。 これらアトピー性皮膚炎やアレルギー性疾患に苦しむ患者さんの症状を緩和する天然物を見つけたいという強い思いから、放置竹林の竹に有効な成分が含まれることを見いだしました。さらに抽出した竹エキスには過剰な免疫反応を抑制する効果があることを発見しました(特許第6487613号/IL-33発現抑制剤の製造方法)。

様々な学説があるなかで、アトピー性皮膚炎の発症にIL-33(ヒトの細胞から分泌される免疫を制御するタンパク質の1つ)の関与が注目されています。患者さんの皮膚(角層)では共通してIL-33が過剰に存在していることが明らかにされており、IL-33を標的とした治療法の研究も進められている状況です。

竹抽出エキスは、実証実験により皮膚(角層)での過剰なIL-33の発現を抑制することを裏付ける結果が得られています。IL-33は、人が生まれながらに持っている自然免疫により産生される特徴があることから、自然免疫との関連性について新たな発見ができるのではないかという期待を抱きながら共同研究を進めて参ります。