検査で陰性なのに現れる食物アレルギー

蕁麻疹のほとんどが原因不明!?

蕁麻疹の多くは、病院に行っても原因がわからずお薬だけもらって帰ってくるというケースが多いとされています。

でも、あきらめる前に自分でできる簡単なチェック方法を知って頂きたいと思います。

蕁麻疹が頻繁に出る方は、まず

  • いつ
  • どんなときに
  • どれくらいの頻度で

蕁麻疹が現れるか、きちんと記録をしましょう。

蕁麻疹に悩まされている方の多くは、夕方~夜にかけて現れることが多いようです。

これは、自立神経のバランスと深くかかわっているとされています。

夜間は  副交感神経/交感神経のバランスが

昼間  副交感神経 < 交感神経
夜間  副交感神経 > 交感神経

となり これに関係して 昼間は副腎皮質ホルモンの分泌が活性化され夜間は低下するという サイクルがあります

これにより 痒みを伴う皮膚症状の多くが 就寝中に痒みが悪化する傾向にあります。

ところが、最近ご相談を頂いた方は、夜には出たことがなくて 朝~夕方の間に集中してでるということ。抗アレルギー剤を内服していると我慢できる範囲で治まるのですが、薬がきれるとひどく出てくるという状況で、「朝から夕方」に集中して皮疹やかゆみが現れることがとても気になりました。

アレルギーの有無を伺ったところ、アレルギーは「スギとヒノキの花粉症」と「犬と猫、ハウスダスト」のみで、食物アレルギーはないとのことでした。

交叉反応と食物アレルギー

蕁麻疹に悩まされている方は、一度は食物アレルギーの血液検査をされていると思います。

ところが、検査では陽性でなくても 食べるとアレルギー症状がでることがあります。

それが「交叉反応」と言われるものです。

例えば、今回ご相談いただいた方の場合。

杉とヒノキに花粉症があるため、抗アレルギー剤を2月~5月にかけて毎年内服されているそうで、5月に花粉症が終わったので抗アレルギー剤を中止したら、蕁麻疹のような症状が出始めたそうです。

この方は、トマトジュースを飲む習慣があり、トマトも好んで食されているとのことでした。

スギ花粉症の方は、スギ花粉と類似した構造をもつトマトを食べた時に、身体の免疫機能がトマトをスギと勘違いしてしまう=交叉反応により、アレルギー症状が引き起こされることがあります。

トマト以外にも、様々なパターンが明らかになっています。

意外に知られていない、仮性アレルゲンって何!?

ここまでご紹介した食物アレルギーによるアレルギー反応では、アレルゲンを摂取すると体の免疫機能が異物(=アレルゲン)から体を守ろうとして、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学を分泌し、これらの化学物質がかゆみや湿疹・炎症の原因となってるものでした。

ところが、食物の中にはヒスタミンやロイコトリエンに似た物質そのものを含有しているものがあり、その食物を食べたときにアレルギーのような反応を引き起こすことがあります。

この物質が「仮性アレルゲン」と呼ばれています

仮性アレルゲン物質と含まれる代表的な食品

■ヒスタミンが含まれる代表的な食品
ほうれんそう、トマト、なす、とうもろこし、さば など

■セロトニンが含まれる代表的な食品
トマト、バナナ、パイナップル、キウイフルーツ など

■アセチルコリンが含まれる代表的な食品
トマト、なす、たけのこ、やまいも、さといも など

■サリチル酸化合物が含まれる代表的な食品
トマト、きゅうり、じゃがいも、イチゴ、りんご、メロン など

原因不明の継続的な蕁麻疹やかゆみに悩まされている方は、原因は別にある可能性も考えられますが、1週間ほど口にされる食材を記録されてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、私は花粉症がありますが、トマトを火を通さないで口にするとかゆくなることがあります。